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『東京ユウトピア通信』は、Lampの6枚目のアルバムです。わりとアップテンポな曲が多く、曲中での展開も多く、全体的に情報量の多い印象になっているかも知れません。録音期間中は全く平気でしたが、発売後に通して聞いてみましたら、もう私なんかは、前半だけでくたびれてしまったほどです。

今回のアルバムの大体のイメージは、『ランプ幻想』(2008年、4枚目)の制作時点より前から既にあったものです。『ランプ幻想』の、あれほど暗くて、深く沈むような内容のアルバム制作も、言ってしまえば、この『東京ユウトピア通信』という保険があったからこそ思い切ってやれたのかも知れません。いわゆる「静」と「動」として、この二枚を対比させたかったのですね。けれども、発売時期がだいぶ開いてしまいましたし、この二枚の間に今回のアルバムの中から‘夏’のイメージの曲だけを切り取った『八月の詩情』(2010年、5枚目)のリリースを挟んだので、若干わかりづらくなってしまいましたね。

余談ですが、『ランプ幻想』に収録した「雨降る夜の向こう」は、当初の予定では今回の『東京ユウトピア通信』の中に収めるつもりの曲でした。歌詞の一部に「これ以上待てないわ あなたからの通信」とありますが、この部分は今回のアルバムタイトルからの引用である、という事からもお分かりになると思います。

そういう訳で、かれこれ5年前から温めていた今回のアルバムをリリースできて、今は皆とてもほっとしています。

私達は普段、本当に閉じた人間関係の中で生活しています。アルバム制作は、その閉じた生活圏内にある、さらに閉じた小さな社会の中での‘作業’です。そうして出来上がった音楽を、CDを買って聴いてくださっている方々と共有できている事が、今とても不思議です…。

最後にお知らせですが、3月11日(金曜日)に、渋谷のduoでライブ演奏をします。久しぶりの演奏ですが、良い時間となるよう、皆で努力します。お時間のある方は是非いらして下さいね。

(文/榊原香保里 Lamp)

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